こんにちは、最近の美容医療のあり方について問題提起をしたく、今日は筆を取ります。
最近、美容外科では、様々な治療の選択肢を提供しています。私はこの傾向に大賛成です。多くの選択肢が、患者様を美しく、若く保っていることは間違いない事実でしょう。
異論は全く有りません。
ところが最近、「とんでも医療」を平気で提供するクリニックが増えてきたように思います。例えば、
- 注射でテストステロンを打つことで、若いときのように男性機能を取り戻す!
- 成長ホルモンを点滴で投与することで、ピチピチのお肌を取り戻す!
- 幹細胞を点滴で投与することで、アンチエイジング!
アンチエイジングの観点からは、これらの治療はすべてナンセンスです。(効果が全くない、とはいいません)
全身に血液を介して注射・点滴をする系のアンチエイジング治療は、副作用もふくめて全身へのダメージが起こりえます。なので極めて慎重に行うべきです。
無根拠に話しているわけではなく、例えば幹細胞の全身投与(3)は、過去に死亡事故も発生しています。(参考記事:弁護士の先生のブログ)
全身に人工テストステロンを投与する治療法(1)では、テストステロンの分泌が落ちてきた高齢男性にとって『福音』のように聞こえますが、人工テストステロンには様々な副作用があります。
- 糖尿病になるリスク
- 免疫が落ちるリスク
- 肝障害、肝臓癌、前立腺癌になるリスク
- 高コレステロール血症、高血圧症等の生活習慣病になるリスク
- 心筋梗塞になるリスク
- うつ病にリスク
国際がん研究機関の調査によると、人工テストステロン等のアナボリックステロイドは、発癌性(Group2A)があります。Group2Aというと、「ディーゼルエンジンの排ガス」と同等の発がん性です。
アンチエイジングの治療だと言って、ディーゼルエンジンの排気ガスを吸い込む人はいるでしょうか?たとえ、その排気ガスが体をエネルギッシュにしてくれるとしてもです。
こうしたリスクがきちんと説明された上で治療や投薬が実施されているかとても疑問です。
個人的にアンチエイジングの治療は、将来のご自身の健康を損ねない範囲で継続可能な治療内容であるべきだと考えています。『不健康なアンチエイジング』では意味がない。
アンチエイジング治療に挑戦する方は、よりスマートに、より賢く判断して、ご自身でどの治療が良いかを正しく選んでください。
