本記事では、飲み薬「ミノキシジル タブレット(ミノタブ)」の副作用のひとつである「胸痛」を紹介します。特に、
- 現在、ミノキシジルの内服をしている方
- 将来、ミノキシジルの内服を考えている方
を対象にした記事です。

ミノキシジルの内服について
このブログでも時々お伝えしているかと思いますが、ミノキシジル内服は強くはおすすめしません。
日本皮膚科学会のだしている「脱毛症に関する治療ガイドライン」では、ミノキシジル飲み薬は「推奨度:D(行わないよう勧められる)」と明記されています。
(参考:ガイドライン<外部サイト>)
それでも、フィナステリドや塗り薬だけでは効果が得られなくなると、ミノキシジルを内服せざるを得ないこともあります。
ミノキシジルは血圧を下げる
ミノキシジルはもともと高血圧のお薬として開発されましたことをご存知でしょうか。これについては別の記事で解説しています。
なので、ミノキシジルは体内に取り込まれると、血圧を下げる作用があります。
適度に血圧が下がるのは問題ありませんが、血圧が下がりすぎると、命に関わるような副作用を引き起こします。
そのひとつが心臓への副作用です。
低血圧で心臓に栄養が届かなくなり、心臓が痛む
心臓は全身に血液を送る臓器です。
心臓は、一分間に約60回はドックンドックンと動いています。とても働き者の臓器です。
そのため、心臓は栄養をたくさん必要とする臓器でもあります。
心臓は、栄養を送っている血管(専門用語では冠動脈といいます)を通じて、栄養や酸素を心臓自体にも補給しています。自分で自分に栄養を送っているんです。
ミノキシジルなどが原因で、ひどい低血圧になると、この栄養血管に血流がながれなくなり、ひどい場合は心筋梗塞や狭心症になってしまうのです。
特に、下の血圧(専門用語では拡張期血圧といいます)が一定以上低下すると、この栄養血管に血流が流れなくなり、致命的になります。
心臓の痛みかどうか、を判断するには?
胸痛があった時点で、中止も含めて検討する必要があります。お薬を海外から個人輸入している人は、すぐに医療機関にかかって相談してください。
もし医療機関でミノタブの処方を受けている場合、担当の先生に必ず相談してください。絶対にご自身で判断をしないようにお願いします。
胸の痛みが、心臓が原因の胸の痛みかどうかを判断する一つの基準を紹介します。
胸の肋骨のあたりを指で軽くおしても、痛みが変化しないときは内蔵の痛みであることがあります。
逆に指で押して痛い場合は、骨や筋肉の痛みの可能性があります。筋肉痛などがいい例で、胸のトレーニングをしたあとに、胸痛がありますが、押すと痛いという経験をしたことがある人もいるでしょう。
最後に
ミノキシジルの副作用について、少し怖い話を書きました。ミノキシジルを飲むということは、リスクのある治療の一つです。
ミノキシジルの飲み薬は、「あまり優先度の高い治療ではない」というのが私の方針でもあり、日本皮膚科学会のガイドラインでもあります。それでも、ミノキシジルを飲むことで薄毛が良くなる方もいます。
少しでもご不安な場合やミノキシジル内服についてお悩みの方は、お近くのAGA専門クリニックへご相談ください。
参考記事:心臓発作と胸痛について
胸痛に関する一般的な知識をまとめた記事もありますので、参考にしてみてください。