- 朝の電車で「しんどい」と感じる
- 職場で上司とうまく付き合えずに悩んでいる
- 恋人にふられて、苦しい
そういうときは、「しんどい」と呟こう、と先日書いた。呟くだけでは足りないので、補足します。
【朝のメディカルサプリ】
— CenCen@医師 (@cencenja) October 23, 2019
対象:朝が苦手な人
サプリ:「朝だるい。でも活動してる俺えらい。」と呟く
ポイントは、本音を口にすること。Twitterで呟いてもOKです。
「しんどい」と感じている自分がいることを認めることで「しんどさ」が無くなくなります。#認知行動療法#朝のメディカルサプリ
こうした負の感情は、あなたの「心の痛み」です。
「心の痛み」を取り去ることは、決して簡単ではない。とても、とても難しい。
しかし、ある訓練次第で「心の痛み」を和らげる方法があると言われたら、やってみたくないだろうか?この方法に取り組むと、痛みが和らぐだけでなく、仕事も人間関係も前より良くなることが分かってきたので紹介する。
目次
悩んでいるあなたの姿を認めよう
たとえば、朝通勤をしていて、「だるいなあ」「しんどいなあ」と感じたとしよう。「仕事でうまくいかなくて、悩んでいる」とかでもよい。
まずするべきことは、あなたが「心の痛み(ネガティブな感情)を抱いている」と素直に受け入れること。
ついやりがちだが、ここで絶対にしていけないのは、感情を否定したり、「いや、しんどくない」「こんだけ頑張ったんだ、今からも頑張る」のように、自分の感情から目を背けること。
決して自分に嘘を付くように、説得をしてはいけません。
あなたの感情を認めるだけで、悩みは和らぎます
「あ、しんどいと感じている自分がいる」と、客観的に自分の感情を、ただそのままに受け入れるのです。受け入れるという行為を続けるのです。
「負の感情を受け入れる」というだけで、あなたが感じている不安や心の痛みが和らぐことが科学的に証明されています。
では、具体的にどうするか?
方法1. 瞑想をする
慣れるまでは難しいのですが、自らの呼吸に集中する「瞑想」を行うと感情を受け入れやすくなります。
「瞑想」では自分の呼吸だけに集中します。
お寺でやる必要はありません。電車の中、家、職場、何処でも大丈夫です。
目を半開きにして、何も考えず、周りの刺激にもできるだけ注意をあたえず、自分の呼吸にのみ集中するのです。
1回1分ぐらいで大丈夫です。できれば毎日続けてください。(「瞑想」については別の記事でも解説します)
方法2. 悩みや不安を書き出す
「瞑想」なんて、いきなり言われても難しい!と感じる人は、スマホのメモ帳でもいいので、つらいと感じていることを箇条書きしてみてください。それだけでも効果があります。
不安や心の痛みは、きちんと向き合うことで、自分がどういったことに悩んでいて、辛いと感じているかを知り、心が穏やかになるのです。
実はこの方法、精神疾患のうつ病治療にも応用されていて、認知行動療法と言われます。アメリカの精神科医であるアーロン・ベック先生により開発されました。少し専門的な話になるので割愛しますね。
何れにせよ、「自分を知ること」で痛みが和らぐ
客観的に自分の感情を知ることは、少しむずかしい言葉では「メタ認知」と言われます。
「メタ認知」を鍛えることで自分への理解が深まり(自己認識の向上)、不安な感情が和らぐ、と覚えておいてください。
エリートの世界では大人気のメタ認知
「メタ認知能力を鍛えること」は、エリートビジネスマンの間で一時期ブームとなりました。そう、「瞑想」が流行ったのです。
ブレイクのきっかけとなったのが、2016年にGoogle本社で勤務をしていた自己開発責任者、メン氏の著書「サーチ・インサイド・ユアセルフ 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルンス実践法」という本。
「メタ認知能力を鍛えること」は、自分の感情を理解し、感情を思うがままコントロールすることにほかならないのです。
ビジネスマンは、自己認識が高くなると「難しい決断を感情に左右されず、合理的に下すこと」ができ、成果を発揮できるようになるのです。
メタ認知で共感力も高まり人間関係も良くなる
さらにさらに、メタ認知能力が高まると、共感能力が高まる事もわかってきています。
脳のなかに「島皮質」と呼ばれる部分があります。
自分の身体感覚を経験し、認識する能力をつかさどる部位です。つまり、自己認識のための部位です。
最近の研究では「島皮質」は共感力と関係があることが明らかになってきました。『ニューロエコノミクス』の『第17章 他者への理解』では、「島皮質」は他者に共感することに関係するという多数の科学的根拠が示されています。
つまり、己のことを知ることで、他者の気持ちの理解につながるのです。
面白いですね。
共感力が、リーダーとしての資質に重要であること、人間関係を良好なものにすることは、議論するほどのことではありません。人間は社会的な動物なので、他者への理解はとても大切です。
少し分厚い本ですが、もっと詳しく知りたい人は「サーチ・インサイド・ユアセルフ 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルンス実践法」を連休などで時間があるときはぜひ読んでみてください。