男性の不妊専門クリックで行われたフィナステリド(プロペシアの主成分)の内服と精子の量に関する報告がアメリカ生殖医療学会であがっていますので、紹介します。
Finasteride use in the male infertility population: effects on semen and hormone parameters
https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(13)02786-6/abstract
https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(13)02786-6/pdf

調査の対象となった男性不妊専門クリニックに通院した4,400人の男性のうち、フィナステリドを飲んでいたのが27人(0.6%)でした。
フィナステリドによる治療の平均期間は57.4ヶ月であり、平均用量は1.04 mg /日。
フィナステリド中止後、精子数の平均は11.6倍増加したようです。重度の精子過少症の男性のうち、57%の患者がフィナステリドを中止した後に精子の数が増加しました。つまり改善しました。
フィナステリドの中止で、精子数が減少した人はいませんでした。
フィナステリドは、低用量であっても、一部の男性では精子の減少を引き起こす可能性があるようです。
フィナステリドの副作用として、「精子の形態異常」「運動性の異常」も製薬メーカーから報告されています。
しかし、この報告では「精子の運動性」や「精子の形態」は、内服前後で変わらなかったようです。
フィナステリドは、「妊娠を望む精子の少ない男性では使用を中止し、不妊治療を希望する男性患者では、注意して使用する必要がある」とカナダのメリー・サンプラスキー医師は警告しています。
妊娠を希望するカップルの場合、男性はフィナステリドを飲まない方が良いかもしれません。